【6月17日 AFP】英イングランド(England)北部バーストール(Birstall)で野党・労働党の女性議員、ジョー・コックス(Jo Cox)氏(41)が殺害された事件で、米人権団体「南部貧困法律センター(SPLC)」は16日、容疑者とされる男が、米国のネオナチ(Neo-Nazi)団体の熱心な支持者だったことを明らかにした。

 同センターによると、英メディアが襲撃犯として報じているトーマス・メア(Thomas Mair)容疑者は「白人国家主義と長い関わり」があった。同センターはウェブサイトで「入手した記録によると、メア容疑者は数十年にわたり、かつて米国を代表するネオナチ組織だったナショナル・アライアンス(NA)の熱心な支持者だった」と述べている。

 16日の白昼に自身の選挙区内の路上で殺害されたコックス氏は、難民の権利を訴えていたことで知られていた。目撃者のカフェ経営者クラーク・ロスウェル(Clarke Rothwell)さんは英通信社プレス・アソシエーション(PA)に対し、銃や刃物でコックス氏を襲った男が犯行中、繰り返し「プット・ブリテン・ファースト(英国を最優先にしろ)」と叫んでいたと語った。

「ブリテン・ファースト(Britain First)」は、反移民を掲げる極右団体の名前だが、同団体はこの事件への関与を真っ向から否定。「こうした行動を促すことは決してない」とする声明を出した。(c)AFP