【11月22日 AFP】世界最大のたばこ生産国であり、消費国でもある中国で、年内に全国規模の喫煙規制が導入される見込みだ。

 中国の喫煙人口は世界最大で、成人全体の28%、成人男性では半数が常習喫煙者とされている。また世界保健機関(WHO)によれば、たばこ関連疾患による死者は年間100万人で、さらに年間約10万人の死因に受動喫煙が影響している。

 北京(Beijing)市当局は昨年6月、中国史上最も厳格な禁煙条例を導入。事業所、飲食店、ホテル、病院などでの喫煙を禁じ、違反した施設には最大で1万元(約16万円)の罰金が科されるようになった。上海(Shanghai)も先週、たばこ規制条例を改定し、屋内は全面禁煙、屋外もバス停や学校、競技場などの公共施設は禁煙とすることになった。その他すでに約20都市で公共の場は禁煙となっている。

 上海で開催されているWHOの会議で21日、中国保健当局の報道官は、こうした公共の場での喫煙規制を中国全土で実施する考えを示し、年内に発表および施行できるよう法的手続きを進めていると語った。

 ただ、喫煙規制の強化は中国では困難とみられている。中国のたばこ市場をほぼ独占している国有の中国煙草総公司(China National Tobacco Corp)が昨年もたらした歳入は、前年比20%増の1兆1000億元(約17兆7000億円)。また、たばこ規制当局は同社とオフィスを共有しており、双方で役職を兼務するも幹部もいるという。(c)AFP