■「良いファンがいる」

 メキシコでは約1世紀前からアメフトが行われており、大学チームの試合では大勢の観客が集まっている。NFLの支援により、子どもたちもタックルなしでアメフトを楽しんでおり、競技人口は8年前の10万人から250万人にまで増加しているという。

 NFLの試合がある毎週日曜日には、ファンがお気に入りのチームを見るためにバーなどに押し寄せるメキシコでは、ピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)、ダラス・カウボーイズ(Dallas Cowboys)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)に次いで、レイダースは5番目の人気を誇っている。これらのチームはスーパーボウル(Super Bowl)に進出した際に、メキシコでも試合が放送され人気が集まった。

 中部ケレタロ(Queretaro)州から来た30代のカップルは、男性が羽を持つヘビの大きな銀マスク、女性がスカルのマスクと目には赤と黄色の不気味なコンタクトレンズを装着。男性は薬物絡みの暴力や汚職に苦しめられている国の実情について言及し、「このイベントによって、メキシコには悪い人間ばかりじゃなく、良いファンがいることを示せる」と語った。

 米国最大の人気スポーツのメキシコ開催は、2週間前の米大統領選で、メキシコ移民を犯罪者扱いしていた共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が当選を果たした政治的影響を感じさせなかった。

 メキシコ市から来たというレイダースのユニホームを着た40歳の会社員は、「スポーツの良いところは、みんなの避難場所だということだ。スポーツを楽しんでいるときは、国も政党も関係ない。そのスポーツとチームへの愛があるだけだ」と語った。(c)AFP/Laurent THOMET