【11月19日 AFP】(更新)次期米大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が設立した不動産投資講座「トランプ大学(Trump University)」の詐欺疑惑をめぐる訴訟で、トランプ氏側が原告らに2500万ドル(約28億円)を支払うことで両者が和解したことが分かった。閣僚人事の調整を進めるトランプ氏にとって厄介な問題となる訴訟の継続が回避された形だ。

 ニューヨーク(New York)州のエリック・シュナイダーマン(Eric Schneiderman)州司法長官は18日の声明で、「本日なされた2500万ドルの示談成立は、ドナルド・トランプ氏による驚くべき姿勢転換であり、同氏の詐欺的な大学の被害者6000人にとっては大きな勝利だ」と述べた。

 同長官はさらに「示談の条件に、被害者全員への返金や、ドナルド・トランプ氏がニューヨーク州に対して州教育法違反の罰金100万ドル(約1億1000万円)を支払う内容が含まれていることに満足している」と述べている。

 シュナイダーマン州司法長官の報道官によると、トランプ大学に関してカリフォルニア(California)州で2件、ニューヨーク州で1件起こされていた計3件の訴訟のすべてで今回、示談が成立した。

 米次期大統領に当選し、現在は連日次期政権に関する討議を行っているトランプ氏は、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)の連邦裁判所に裁判延期の要請をしていた。同裁判所では18日、この要請に関する審理が予定されていたが、審理が始まる約1時間前に示談が成立したという。

 既に破綻した無認可校、トランプ大学の元受講者らが6年前に起こした訴訟によると、同大学は押しの強いマーケティングで受講者らをだまして金を払わせたとされている。

 訴訟によると、トランプ氏自らが選んだという講師陣による講習を受ければ不動産業界で成功すると信じた受講者らが授業料として3万5000ドル(約390万円)を支払ったケースもあるという。(c)AFP