■「移民は荷物をまとめて出て行け」教室で上がる声

 ワシントン(Washington)州のある教師はSPLCに対し、大統領選の翌日に「学校のカフェテリアで昼食時間に『壁を造れ』とコールが繰り返されるのが聞こえた。私が担任するクラスでも『この国で生まれたのでなければ荷物をまとめて出て行け』と叫ぶ生徒がいた。ホールでは『スピック(ヒスパニック系を指す差別的な表現)は出て行け』という声が上がっていた」と報告している。

 SPLCの元には、大統領選が行われた11月8日から11日までの間に黒人、女性、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を狙った事件に関する報告が200件以上寄せられたという。

 米連邦捜査局(FBI)が14日に発表した報告書によると、イスラム教徒に対する攻撃は昨年67%増加した。

 全米各地の教育機関では、リベラルな校風で知られる学校も含め、ここ数日で憂慮すべき事件が立て続けに起こり、学校側は対処を約束するメールを保護者らに送る事態に迫られている。中には、トイレの壁にトランプ氏陣営のキャッチフレーズ「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」をもじって「米国を再び白人の国に(Make America White Again)」というスローガンが落書きされていたケースもあった。