【11月14日 AFP】メキシコ東部で行方が分からなくなっていたカトリック教会の司祭(54)が13日朝、生きて発見された。負傷しており拷問を受けたとみられる。教会側が明らかにした。

 発見されたのは、10日を最後に消息を絶っていたホセ・ルイス・サンチェス・ルイス(Jose Luis Sanchez Ruiz)司祭(54)。教区のサン・アンドレス・トゥストラ(San Andres Tuxtla)大司教は声明で、13日午前にルイス司祭が発見されたが「拷問を受けたとみられる跡がはっきり残っている」と述べた。

 メキシコ東部ベラクルス(Veracruz)州カテマコ(Catemaco)にある同司祭の教会ではルイス司祭が消えた翌11日、ドアがこじ開けられたような形跡が見つかった。司祭はカテマコで発生している犯罪について抗議したため、脅迫を受けていた。同日夜には住民らが道路を封鎖して抗議活動を実施。12日にはデモの参加者がカテマコの庁舎の一部や警察車両に放火した。

 メキシコは教会関係者に対する暴力が最も激しい国の一つ。ベラクルス州では、9月にも他の司祭2人が行方不明になった直後に遺体で発見されており、ルイス司祭も同じ運命にさらされるのではないかと懸念が広がっていた。(c)AFP