【11月6日 AFP】アフガニスタン中部バーミヤン(Bamiyan)で4日、同国唯一の男女混合スポーツイベントである国際マラソン大会が開催され、ヘッドスカーフを身に着けた女性アスリートらが、勝利よりも自由を味わうために、あずき色の山々を背景にコースを駆け抜けた。

 秋の肌寒さをものともせず、因習を打破するために、アフガニスタン人女性6人とイラン人女性1人を含む15人の女性たちが男性アスリートと肩を並べ、旧支配勢力タリバン(Taliban)が2001年に破壊した巨大な仏像がかつてたっていた断崖のふもとをスタートした。

 ゆったりとした白いシャツを着用してマラソンに臨んだ彼女たちは、そうした衣類にさえいつにない自由を感じていた。アフガニスタン北部マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)から参加したある医学生は、普段はレギンスと膝下まであるワンピースを着て練習していると話し、「ランニングは自由をくれます」と語った。

 大会は2人の英国人男性――ジェームズ・ビンガム(James Bingham)氏とジェームズ・ウィルコックス(James Willcox)氏――が2年連続で主催し、アフガニスタン内外から合わせて100人以上が参加した。

 紛争などで荒れ果てたアフガニスタンにおいて、このマラソン大会は貴重なスポーツの成功の象徴というだけではない。女性にとって公の場でランニングすることは、政府転覆を画る破壊活動そのものとみなされる保守的なイスラム教国のアフガニスタンにおいては、自由の象徴でもあるのだ。(c)AFP/Anne CHAON