【8月2日 AFP】アフガニスタン中部バーミヤン(Bamiyan)では、旧支配勢力のタリバン(Taliban)が破壊した巨大な石仏がかつてたたずんでいた空洞の横に、人の手で掘られた数百もの洞窟(どうくつ)が並んでいる。くすんだ色の崖に掘られた洞窟では、貧困にあえぐ地元の住民たちが他に行く当てもなく暮らしている。

 バーミヤン渓谷に連なる古い洞窟群は、仏教の修行僧たちが瞑想(めいそう)や修行のために使用していたものだが、現在は土地を持たず、普通の住宅で暮らす余裕もないアフガニスタンの家族たちが仮の住み家として利用している。

 洞窟には電気も水道も通っておらず、住人たちはかびの臭いが漂う、暗くじめじめとした住まいでのひどい生活に適応することを強いられている。

 地元当局は、住民たちがドアや窓を設置したり、住居施設を増築したりするため、洞窟を住居として使用する期間が長くなるほどに遺跡の損傷が激しくなるとして、ここ数年の間に約250家族を洞窟から退去させた。だが今も多くの家族がとどまっている。(c)AFP