【11月6日 AFP】欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は、前任者であるジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)氏の米投資銀行大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)入りが物議を醸している問題を受けて、倫理規定の変更を考えていると語った。

 2004年から2014年まで欧州委員会委員長を務めたバローゾ氏は、退職から規定の18か月を経てゴールドマン・サックスの幹部に就任した。だが、これを非難する声が相次ぎ、ユンケル委員長も5日付のベルギー仏語日刊紙ルソワール(Le Soir)とのインタビューで、「倫理規定を変えねばならない」と述べて、現行ルール厳格化の意向を示した。

 欧州連合(EU)の行政執行機関として強い権限を持つ欧州委員会を率いたバローゾ氏は、最高位レベルの公職者として世界中の政財界と関わってきた。このため、バローゾ氏がゴールドマンが利するよう、こうした人脈を不当に使用する懸念があるとの批判が出ている。

 EUは2008年の世界金融危機のきっかけを作ったと金融機関としてゴールドマン・サックスを非難している。(c)AFP