■「植民地時代のお荷物」

 実際、初めてテレビに出演したカーンさんは着慣れないスーツ姿にスピーチもしどろもどろで、視聴者の笑いものとなってしまった。あるツイッターユーザーは「彼との結婚に同意する女の子なんかいない」などと書き込んだ。

 カーンさんの瞳の色が注目されたことを受け、あるコラムニストは「植民地時代のお荷物に有効期限はないようだ」などと述べ、今回の事象に不快感を示した。肌や瞳の色素が薄い人が多くみられる、パキスタン北西部やアフガニスタン南部のパシュトゥン人をめぐっては、かつて英国が戦士として美化していたこともある。

 その一方で、成功に対してあまりに無防備な若者の搾取を懸念する声も聞かれる。早くも地元のファッションブランドがカーンさんの写真を掲載しているためだ。このことについてカーンさんは、モデル契約は一切交わしていないと話す。

 17人いる兄弟姉妹のうち、上から3番目のカーンさんは一度も学校に通ったことがない。カーンさんは新たに手にした名声が自身を前進させてくれることを願っている。

 今回の出来事を最初に掲載したのは、パキスタンとの緊張関係が続くインドの新聞だった。カーンさんは「インドのぼくのファンに平和のメッセージを送るよ」とコメントした。(c)AFP/Caroline Nelly PERROT