パキスタンのチャイ売り青年、世界中で「イケメン」と話題に 社会問題にも
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【10月25日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で、チャイ(スパイス入りのミルクティー)売りとして働くアルシャッド・カーン(Arshad Khan)さん(18)は、インターネットに投稿された1枚の写真によって人生が一転した──。
ブルーグリーンの瞳を持つカーンさんの写真は、パキスタンだけでなく隣国インドや海外にも拡散したが、後に階級や性的対象化の問題、パキスタンにおけるパシュトゥン(Pashtun)人の立場についてまで熱い論争を引き起こすこととなった。
「ほんとうに驚いた…自分がハンサムだってことには気づいていたけど、お金がないと何もできない(から)」とカーンさんはAFPの取材に語った。だが、写真の件がきっかけで「考え方が変わった」という。
画像共有サービス「インスタグラム(Instagram)」に投稿された写真には、イスラマバードの市場でお茶を提供するカーンさんの姿が捉えられていた。写真のカーンさんは、ブルーグリーンの瞳でカメラのレンズをごく自然に見つめている。
14日の写真投稿から数日後、この若く、ハンサムなチャイワラ(チャイを売る人)を一目見ようと、大勢の人々が市場に殺到した。
しかし、カーンさんの写真がもたらした興奮は、女性の権利獲得を求める闘いが長きにわたり続いているパキスタンで、貧しい青年を観賞対象とすることの是非を問う激しい論争へと次第に変わっていった。
「このようなことは女性でより多くみられるが、その対象が少年であっても、やはりゾッとする」と男女同権論者のコラムニスト、ビナ・シャー(Bina Shah)氏はAFPに語った。
また、ラホール(Lahore)在住の社会学者の女性も、「特権階級のエリートたちがセクシーなチャイ店主に熱をあげ、労働者階級の男性を物扱いしている」とツイッター(Twitter)に批判的なメッセージを投稿している。他方で、地元紙エクスプレス・トリビューン(Express Tribune)は、貧しい人がこれほどハンサムになれるなんて「驚きだ」と、今回の話題を皮肉交じりに伝えた。