【10月23日 AFP】ロシア政府は22日、米大統領選にロシアが選挙監視団の派遣を希望していることについて米政府が反ロシア的な立場を取っているとして批判し、この問題をめぐる騒ぎをエスカレートさせた。

 ロシアは11月8日に行われる米大統領選の投票を監視するため独自の監視団を米国のさまざまな州に派遣しようとしているが、これまでのところ米側の許可は得られていない。

 米首都ワシントン(Washington D.C.)のロシア大使館は21日、ロシア政府が米国のいくつかの州の選挙管理委員会に対し、投票のプロセスを知りたいとして監視団派遣の申請を行ったと発表した。

 在米ロシア大使館は、「ほとんどが否定的な回答で、中にはロシアが投票に関心を示したりロシア政府関係者が投票所に現れたりすることは犯罪行為とみなされる可能性があると脅してきた例もあった」としている。ロシアは、米連邦政府と調整して否定的な決定を下したとして米国の一部の州を非難した。

 米国務省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は21日、欧州安保協力機構(OSCE)は米国を含む全加盟国の選挙を監視しており、ロシアはOSCEの監視団に加わるよう招待されていたにもかかわらず不参加を決めたと指摘し、ロシア政府がしていることは注目を集めるための行為にすぎないと批判した。

 カービー報道官は、米連邦政府としてロシアの選挙監視団を拒絶する方針は一切取っておらず、ロシア政府にも米国の選挙を監視することは歓迎すると伝達済みだと述べた。また国務省が米国の個別の州に外国の選挙監視団についてなんらかの助言をしたとは承知していないと述べた。(c)AFP