■魔法の縄跳び

 アイデアが浮かぶのは、眠りに就こうとしている時や目覚めようとしている時、ピアノをいじっている時だというアルマさん。実はこれ以外にもう一つ、自分だけの特別な方法があるという。

「メロディーを生むもう一つの方法は、縄跳びをすることなんです」と言い、大事な縄跳びを誇らしげに、大真面目な様子で見せてくれた。

「実際に跳ぶわけではないんですが、こんなふうにうねらせながら心の中で物語を作るんです。すると旋律が頭の中にぽんと浮かんでくることがよくあります。そうしたら駆け戻ってノートに書き留めるんです」と、アルマさんは力説した。

「ほら、こういうきらきらした房飾りが付いていて、ラメが入っているものじゃないと駄目なんですよ。他の縄は全然役に立たなくて」

 11歳でオペラといえば、1767年に同じく11歳で最初のオペラ(厳密には宗教音楽劇)が上演されたというモーツァルトの再来と騒がれがちだが、アルマさんは平然としたものだ。

「誰かに比べるられるのはいやですね、自分らしい音楽を書きたい、小さなアルマでいたいんです……だってモーツァルトがもう書いてしまったものをなぞるだけだったとしたら、つまらないと思いますよ!」

(c)AFP/Simon STURDEE