【10月21日 AFP】フランス人シェフのアレクサンドル・クイヨン(Alexandre Couillon)さん(40)は自ら「付き合いにくい」と認める名前の持ち主だ。

「クイヨン」とはフランス語で「間抜け」という意味。しかしそのクイヨンさんが19日、フランスの今年の最優秀シェフに輝いた。クイヨンさんの質素なレストランがフランスの最優秀シーフードレストランに選ばれたのだ。

 クイヨンさんのレストランは仏西部の気取らない潮干狩りの人気スポット、ノワルムーティエ(Noirmoutier)島の一番遠い端にある。この立地がクイヨンさんの快挙をいっそう輝かしいものにしている。

 ネットフリックス(Netflix)のエミー賞(Emmy Awards)受賞番組「シェフのテーブル(Chef's Table)」で先月紹介されたクイヨンさんは自分の菜園と、クイヨンさんのレストランから見下ろせる小さな漁港レルボディエール(L'Herbaudiere)で手に入れた材料を使ったシンプルだが独創的な料理法で世界的に賞賛された。

「ここはたまたま来るところではないのです。いまではお客さんがディナーのためにはるばる800キロメートルも移動して来ています」とレストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で2つ星を獲得しているクイヨンさんは語った。「驚きです…来年の予約をするEメールが海外から毎日5~6通届きます」

 2児の父でもあるクイヨンさんは成功しても自分は変わっていないと言う。「これからも何も変わりませんよ。私は一人の職人でありつづけます。毎日朝起きて、仕事に行く同じ喜びを持ち続けたいですね」

(c)AFP