【10月20日 AFP】(更新)米大統領選の第3回テレビ討論会が19日、ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で開かれ、共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏と民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が最後の直接対決に臨んだ。トランプ氏は来月8日の投票でクリントン氏が勝利した場合でも選挙結果を受け入れるかどうかと問われ、明確な回答を拒否。「その時になったら言う。皆さんの気をもませておく」と答えた。

 トランプ氏はクリントン陣営やメディアが投票を不正操作しているとの批判を繰り返し、「数百万人の」偽の有権者が登録されていると主張。自身の性的暴行疑惑などの報道に触れ「メディアは非常に誠実さに欠け、腐敗しており、驚くほど話を誇張している」とした上で、クリントン陣営がそれをあおっていると非難した。

 これに対しクリントン氏は、240年に及ぶ米国の民主主義への攻撃であり「がくぜんとした」と返し、トランプ氏を「米近代史上最も危険な大統領候補」だと称した。

 これまで激しい非難合戦を繰り広げてきた両候補だが、投票を20日後に控えて最後の討論会となった今回は、テレビ局FOXニュース(Fox News)のキャスター、クリス・ウォレス(Chris Wallace)氏の司会の下、奇妙なほど中身のある抑制された意見交換で幕を開けた。

 最初の質問は連邦最高裁に対する考え方で、クリントン氏は「どんな国を目指すのか」がこの大統領選の焦点だと主張。同性愛者や女性の権利が縮小されてはならないと訴えた。

 一方のトランプ氏は、最高裁判事には人工中絶に反対し銃を所持する権利を保障する人物を任命すると約束。「ヒラリーの意見に同意すれば、生まれる直前の胎児を母親の子宮から取り出すことになる」と続けると、クリントン氏は「そのような恐ろしい表現を使うことが、非常に嘆かわしい」と返した。