【10月13日 AFP】米俳優ハリソン・フォード(Harrison Ford)さんが人気SF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズの撮影中に油圧式のドアに挟まれ左脚を骨折した事故で、英国の裁判所は12日、英映画制作会社「フードルズ・プロダクション(Foodles Production)」に対し、罰金160万ポンド(約2億円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

 検察によるとフォードさんは2014年6月、ロンドン(London)西郊のパインウッド・スタジオ(Pinewood Studios)で行われていたシリーズ7作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(Star Wars: The Force Awakens)』の撮影中、セットの重い金属製の扉に挟まれて左脚を骨折した。扉は油圧式で上下動し、特殊効果班の担当者が合図を受けて遠隔操作で閉める仕組みだった。

 検察は公判の中で、セットの扉を「切れ味の悪いギロチン」と表現。扉をくぐり抜けようとしたフォードさんの「顔から数ミリ」のところに落ちてきて、腰部を床に押さえつけ身動きを取れなくしたと説明し、「1人か2人は死んでいたかもしれない」と主張した。

 判事は米ディズニー(Disney)子会社のフードルズについて、扉のリスク評価は行っていたものの、危険性があることをフォードさんに伝えていなかったと指摘。「周知しなければリスク評価の意味がない」と述べ、安全管理を怠ったと判断した。フードルズ側は既に、撮影中に安全管理に関する法律に2つの点で違反していたことを認めていた。

 英国安全衛生庁(HSE)によれば、フォードさんに勢いよくぶつかった扉の衝撃は、小型車に衝突された状態に匹敵するものだったという。フォードさんは左脚の脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)を折ってボルトで固定する手術を受けなければならなかったうえ、深い裂傷を負った左手も整形手術を受けた。(c)AFP