【10月11日 AFP】米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は「私ほど女性に敬意を払っている人間はいない」と主張するが、彼の口から繰り返し飛び出す、わいせつで女性蔑視の発言をみる限り、その言い分はにわかには信じ難い。トランプ氏のこれまでの下品な発言の一部を振り返ってみる──。

■「相手がスターなら、女はやらせる」

「あの女をがんがん口説いたけど、駄目だった。結婚してやがったし。相手がスターなら、女はやらせる。何だってできる。プッシー(女性器を指す俗語)をまさぐってな」

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が7日に公開した映像から明るみに出たトランプ氏の放言。2005年に撮影されたものだ。

 11月8日の本選まであと1か月を切り、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官との第2回テレビ討論を控えていた時期にこの映像が公開されたことで、トランプ氏陣営と共和党内に激震が走った。

 党内からも大統領選から撤退するべきだとの非難の声が噴出。追いつめられたトランプ氏は選挙戦で初めて謝罪声明を動画で発表したが、その内容は謝罪とは言えない曖昧なものだった。

「自分が完璧な人間だと言ったことは一度もないし、自分を偽って違う人間のふりをしたこともない」と、トランプ氏は眉間にしわを寄せながら釈明。「私にも後悔している言動はある。今日公開された10年以上前の発言は、そうした言動の一つだ」と語った。

■娘は「イケてるスケ」

 トランプ氏がかつてハワード・スターン(Howard Stern)氏のラジオ番組に出演していた際に女性について交わした露骨な会話の中での発言。

 米CNNテレビが8日、これまで未公開だった音声を新たに公開した。トランプ氏は、娘のイヴァンカ(Ivanka Trump)さんの体つきのことや、生理中の女性を相手に、または3人で性行為をした経験について語っている。

 2006年10月、トランプ氏はイヴァンカさんは豊胸手術をしたのかとスターン氏に聞かれ、「娘はいつもなまめかしい体をしているんだ」「背が高くて180センチ近くあり、びっくりするほどきれいだ」と答え、スターン氏の「イケてるスケ」という表現に同意している。

■女の「賞味期限」は35歳

 同じくスターン氏とのインタビューで、一定の年齢に達した女性について、「35歳? チェックアウト時間だな」との持論を展開している。

 他にも自身の性生活についてあけすけに詳細を語っているトランプ氏。当時60歳だった2006年のインタビューでは、24歳の女性とセックスすることに何の抵抗もないと語っている。

 2005年4月の放送回では、「ミス・ユニバース(Miss Universe)」や「ミスUSA(Miss USA)」の出場者とセックスする可能性も示唆。トランプ氏が経営する企業は以前、これらの大会を運営していた。

 出場者からセックスしたいと求められたら応じるかとの問いには、「彼女たちの気持ちを傷つけたくない」として、「美人コンテストのオーナーとしては、(彼女たちの要求に応えることは)義務とも言えるだろう」と答えた。また、出場者たちが舞台裏で裸になって着替えているときに訪れたとしても自分はとがめられないと付け加えている。

■「あの顔を見てみろ。誰があんなのに投票する?」

 共和党の候補指名争いでライバルだったコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)元最高経営責任者(CEO)のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏に対しては、こんな侮辱的な発言をしている。(c)AFP/Sébastien BLANC