【10月10日 AFP】米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏による女性に対するわいせつな発言が明るみに出たことを受け、ソーシャルメディア上では男性から初めて性的に暴行を受けた時の体験談を打ち明ける女性が相次いでいる。

 こうした動きは先週末、カナダ人作家のケリー・オックスフォード(Kelly Oxford)さん(39)が、「女性たち、初めて受けた(性的な)暴行をつぶやいて。これらの行為は単なる統計的な数字ではないから」との呼び掛けから始まった。オックスフォードさんは当初、大きな反響があるとは予想していなかったという。

 オックスフォードさん自身も、呼び掛けを行った際に自らの経験を投稿した。「市バスに乗っていたら年配の男性が笑みを浮かべながら私の『プッシー(女性器を指す俗語)』を触った。12歳の時よ」と打ち明けた。この投稿で使われた言葉は、女性の性器を触ったと自慢した際にトランプ氏がつかったのと同じ言葉だ。

 オックスフォードさんがツイッター(Twitter)で呼び掛けを行ったのは、7日に米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が2005年のトランプ氏の映像を公開してから数時間以内のことだった。

 トランプ氏は映像の中で、芸能番組の司会者ビリー・ブッシュ(Billy Bush)氏に対し、「スターなら、女性はやらせてくれるんだ」「プッシーをつかんでね。何だってできる」と豪語している。

 オックスフォードさんは、ツイッターでの自身の呼び掛けに対し、週末の間だけで50件近くの投稿があったことを明らかにした。これら投稿の大半にはハッシュタグ「#notokay」が付けられており、「レイプの文化」についてさまざまな言語で語られていた。

 投稿者らが書きつづったのは、幼少期や10代の頃に、教師や親友、あるいは路上や公共交通機関で出会った見知らぬ相手から受けた性的な暴行の数々だった。

「友人のパーティーに行ったときに車庫の中で(18歳)、男たちの車の後部座席で(17歳)」、「初めてキスした時に、いきなり指を入れられた。私は14歳で、相手は18歳だった」、「9歳の時、初めて婦人科検診を受けた診察室で。相手から虐待を受けたと気づいたのは大人になってから。それ以来男性医師の診察は受けられない」、「4、5歳の時。相手は幼稚園の先生」といったものもあった。(c)AFP