【10月6日 AFP】国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった英国で、アイルランドのパスポート(旅券)を申請する住民の数が昨年比で約2倍に膨れ上がっていることが、5日に発表された最新の統計で明らかになった。

 アイルランドの外務・貿易省の統計によると、英イングランド(England)、スコットランド(Scotland)、ウェールズ(Wales)の各地方に在住し今年7~9月の3か月間にアイルランドのパスポートを申請した人は、計2万1549人に上り、昨年同期の1万959人を2倍近く上回った。

 北アイルランド(Northern Ireland)での申請数も、昨年の9401人から1万5757人に急増した。

 英国は6月23日の国民投票の結果、EUから離脱することが決まったが、「ブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)」後に英国市民がEU圏内を旅行する場合、ビザ(査証)取得やオンライン申請が必要になるとの臆測が広がっている。

 アイルランドのパスポートは、アイルランド島で生まれた人なら誰でも取得できるが、両親や祖父母がアイルランド出身の人にも取得の権利がある。英国市民でアイルランドの市民権も同時に有する資格がある人数は、調査によって大きく異なるものの、少なくとも600万人いるとの推計もある。(c)AFP