【10月3日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は2日、学校で子どもたちにジェンダー論を教えることは「油断のならないインドクトリネーション(教化)」だとの見解を示した。その一方で、同性愛者や体と心の性の不一致を強く感じるトランスセクシュアルに対しては常に敬意を払っていると主張した。

 3日間のカフカス(Caucasus)地方歴訪を終えてローマ(Rome)に戻る特別機の中で、法王は同行記者団に対し、「同性愛の性質や性別変更が存在することと、それを学校で教えることは別だ」と述べた。

 法王はさらに、ジェンダー論は伝統的な家族観や結婚に対する「世界規模の闘い」の一部だと主張。学校で子どもに教えるような方法で「考え方を変え」ようとすることは「イデオロギーの植民地化」だと語った。

 ジェンダー論は、人には生物学的な性別の他に、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)があり、個人は自己認識に基づいてジェンダーを選択できるという考え方。

 一方で法王は、記者団から同性愛者やトランスセクシュアルについて聞かれると、こうした人々は可能な限り社会に歓迎され、受け入れられ、溶け込むべきだとの呼び掛けを繰り返し、「私はこうした傾向のある人々、同性愛の慣行に寄り添い、神のそばへ導いてきた」「一人たりとも見捨てたことはない」と答えた。(c)AFP