【9月24日 AFP】ボクシング、WBA・WBO世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)の陣営は23日、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)とのタイトル防衛戦を再び延期すると発表した。理由について、フューリーに「戦うには健康上の問題がある」と説明している。

 昨年11月に独デュッセルドルフ(Dusseldorf)で行われたIBF・WBA・WBOヘビー級タイトルマッチで判定勝ちを収め、クリチコを長年の王座から引きずり下ろした28歳のフューリーは、足首の故障を理由に今年6月に一度試合を延期していた。

 フューリー陣営は声明で、「2016年10月29日に英マンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)で予定されていたタイソン・フューリー対ウラディミール・クリチコのヘビー級タイトルマッチが、実現できなくなったことをお知らせしなければならなくなり心から残念です」とすると、「タイソンは今週、戦うには健康上の問題があると診断されました」と明かした。

 フューリーの健康問題について声明では詳細は公表されておらず、練習を再開するまでに治療が必要であると述べるにとどまっている。

「医療専門家からは、コンディションがあまりにも深刻で再戦に挑むには無理があり、リングに戻る前に治療が必要であるとの助言を受けました。当然ながらタイソンは、このような事態になったことで打ちのめされています」

 クリチコとの再戦については、フューリーが足首の故障を訴えてから不吉な予感に包まれていた。フューリーはその後もドーピング検査で違反が発覚し、英国反ドーピング機関(UKAD)の聴聞会に出席することになっていたが、英高等法院(High Court of Justice)がその予定を11月に延期する裁定を下したため、試合の開催が可能となっていた。

 今月上旬の記者会見では、車が故障してフューリーが現れなかったため、両選手は顔を合わせることすらもできなかった。(c)AFP