【9月20日 AFP】メキシコのサン・ミゲル・デ・コスメル(San Miguel de Cozumel)で18日に行われた世界トライアスロンシリーズ(ITU Triathlon World Series)の最終戦で、リオデジャネイロ五輪金メダリストのアリステア・ブラウンリー(Alistair Brownlee、英国)が、優勝目前で倒れかけた弟ジョナサン(Jonathan Brownlee)に救いの手を差し伸べる場面があった。

 リオ五輪のトライアスロンで銀メダルを獲得したジョナサンは、この日のレースでトップを走り、優勝まであと少しと迫っていたが、残り数百メートルの地点で様子がおかしくなると、よろめいて倒れ込む寸前のようにみえた。

 すると、3位を走っていた兄アリステアが後方から来て、弟ジョナサンが倒れないように体を支えながらフィニッシュラインまで並走し、最後はゴールに押し出されたジョナサンがレースを2位で終えた。英国放送協会(BBC)は、アリステアが「人として当然のことをしただけだよ」とコメントしたことを伝えている。

 このレースに勝利すれば、26歳のジョナサンは自身2度目の世界王者に輝くはずだった。しかし、終盤に失速したことで、ヘンリ・スクーマン(Henri Schoeman、南アフリカ)に優勝の座を明け渡した。そして、5位でレースを終えたマリオ・モーラ(Mario Mola、スペイン)がジョナサンを抑えて総合優勝を果たしている。

 高温多湿のコンディションで行われたレース後、ジョナサンはツイッター(Twitter)に「自分が望んだ形でシーズンを終えられなかったけれど、ベストを尽くした」と投稿すると、脱水症状に陥っていたことを明かした。また、治療を受けた病院のベッドで親指を立てた自身の写真も掲載し、体調に問題はなく無事だったことをアピールしている。(c)AFP