【9月16日 AFP】世界に約600万人いる難民の子どもたちのうち、学校教育を受けているのは半数に満たないことが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が15日に発表した報告書で明らかになった。難民の子どもたちが非就学となる確率は通常の子どもたちの5倍だという。

 報告書によると、学齢期の難民の子ども370万人に通学できる学校がない。また、初等教育を受けている難民の子どもは全体の50%で、90%を超える世界平均をはるかに下回る。

 報告書の結果について、UNHCRのフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は「数百万人もの難民の子どもたちが直面している危機的状況が示された」と述べ、難民の子どもが通学できるよう国際社会に行動を呼び掛けた。

 さらにグランディ氏は「国際社会が難民危機への最善策を検討するときには、基本的な生存以上のことを考えることが不可欠だ」と訴えた。難民の避難生活年数は平均で20年に及び、この間に子ども時代が終わってしまうとグランディ氏は指摘。こうした子どもたちは成長しても就学機会が失われてしまうと警告した。中等教育を受けている10代の難民は、わずか22%だという。

 こうしたなか、19日には米ニューヨーク(New York)で国連(UN)の難民・移民問題サミットが初めて開催される予定。さらに翌20日には、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領の主催で難民への追加支援を目的とした会議が開かれる。(c)AFP