【9月14日 AFP】昨季の欧州王者レアル・マドリード(Real Madrid)は、14日に行われる欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)のグループステージ、スポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)戦で大会連覇に向けた挑戦が始まる。そこでAFPは、レアルが今大会で通算12回目の優勝を成し遂げる可能性について考えた。

■歴代最多を誇る大会優勝回数

 言うまでもなく、レアルはチャンピオンズリーグ史上最も多くの成功を収めたチームで、ほかのクラブの追随を許さない。

 欧州王者に君臨するレアルは、最近3シーズンで2度の大会制覇を成し遂げており、優勝回数で歴代2位のACミラン(AC Milan)よりその数は4回も多く、欧州各国のリーグが最高潮を迎える春には、本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)の熱狂が最高潮に達する。

 シーズン終了時におけるビジネスの採算を最優先にすることが、成功の大半を占めることになるほかのチームとは違い、レアルでは常にリーグ戦よりもチャンピオンズリーグが優先され、今季もその例外ではない。

■不動の布陣

 ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督とフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長は、今後2年間の移籍市場で新戦力獲得禁止処分が『銀河系軍団(Los Galacticos)』に科されたことを受け、チームの補強は「不可能」だと訴えている。

 今夏はイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)からアルバロ・モラタ(Alvaro Morata)を買い戻したのが唯一の大きな補強となっており、それ以外はほとんど顔ぶれに変更はない。

 レアルで強化が必要とされていた数少ないポジションの一つに厚みを加えることになったスペイン代表のモラタは、クリスティアーノ・ロナウド (Cristiano Ronaldo)とギャレス・ベイル(Gareth Bale)の間に入るセンターフォワードとして、カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)としのぎを削ることになる。

■大会通算100得点間近のロナウド

 昨季まで4大会連続で大会得点王に輝き、通算得点でも歴代最多記録を保持しているロナウドは、チャンピオンズリーグの顔としてまた一つ歴史的快挙に近づいている。

 ポルトガル代表のロナウドは、ここまで5大会連続で二桁得点を記録しており、大会通算100得点まであと6得点としている。

 ロナウドは先日、膝の靱帯損傷から戦列復帰を果たしており、チャンピオンズリーグでの通算得点数が今大会で三桁に到達するのは間違いないとみられている。

■故郷凱旋を目指すベイル

 レアルが大会連覇を果たすためには、さらなるモチベーションが必要とされているが、チームが誇るスーパースターの一人であるベイルには、決勝の舞台に戻りたい特別な理由がある。

 チャンピオンズリーグを制覇するためにスペイン・マドリード(Madrid)へ来たと話しているベイルは、チームに加入してからの3年間で2度もその目標を成し遂げているが、来年6月3日に決勝の舞台となる生まれ故郷の英カーディフ(Cardiff)でトロフィーを掲げるチャンスは、彼にとって魅力的なものになるだろう。

 ベイルは先日、「すごく士気が上がるよ。カーディフでは過去にUEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup)を経験しているけど、カーディフで行われるチャンピオンズリーグの決勝も、特別な経験になるだろう」とコメントしている。

■大会連覇への挑戦

 今回のチャンピオンズリーグでレアルに可能性が残されている偉業の一つに、26年間どのクラブも達成することができなかった大会連覇がある。

 ミランが達成した1990年以降、レアルはここまで大会連覇を4度逃しているが、チームは6大会連続ベスト4で得た経験を持っており、タイトル保持に向けてその可能性はこれまで以上に高まっている。(c)AFP