【9月12日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は11日、男子シングルス決勝が行われ、大会第3シードのスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を6-7(1-7)、6-4、7-5、6-3で下して優勝を飾り、ここ45年間では最高齢の大会王者となった。

 第4セットでは、ジョコビッチが2度のメディカルタイムアウトを要求し議論を醸すような場面もあったが、31歳のワウリンカは冷静さを保ち約4時間に及ぶ激闘を制した。

 勝利したワウリンカは、1970年大会を当時35歳で優勝したケン・ローズウォール(Ken Rosewal)氏に次ぐ高齢での優勝、そして2002年大会のピート・サンプラス(Pete Sampras)氏以来となる30代での大会制覇を果たしている。

 ワウリンカにとっては初めての全米オープン優勝で、四大大会(グランドスラム)の舞台では2014年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)、2015年の全仏オープンテニス(French Open 2015)に次ぐ3度目の優勝となった。

 一方、5回目の準優勝となったジョコビッチは、2014年の全豪オープンでは準々決勝、昨年の全仏オープンでも決勝でワウリンカの前に屈していた。

 2011年と2015年大会覇者のジョコビッチは自身通算13度目のグランドスラム優勝を目指していたが、この試合は17度迎えたブレークポイントのチャンスのうちわずか3回しか生かすことができなかった。

 今大会は3回戦でダニエル・エヴァンス(Daniel Evans、英国)にマッチポイントを握られながらも勝利を飾っていたワウリンカはこの日、51本のアンフォーストエラーを犯しながらも46本のウイナーを決めた。

 ワウリンカは試合後、「ノバク、君は偉大なチャンピオンであり、素晴らしい人間だ。君のおかげで今の私がある。君が今まで成し遂げてきたすべてを祝福したい」とジョコビッチを称賛した上で、「(優勝は)信じられない。大会入りしたときは、優勝は目標ではなかったけど、コートに立ってからは試合に勝とうと思った。たっぷりプレーして、もう完全に空っぽだ」と話した。

 今日の決勝までにジョコビッチより9時間も多くプレーしてきたワウリンカは、「私の目標は、最高の姿になるために持っている全てを出すことだ。グランドスラムを優勝するという目標を持ったことはないが、自分ができるベストを尽くそうとしている」と語る。

 また米同時多発攻撃から15年を迎えたこの日、ワウリンカは犠牲者に対する思いも口にした。

「最後に。大きな試合だったが、それよりも大事なことがある。15年前に起きたことを覚えておきたい」

 一方、敗れたジョコビッチもワウリンカはチャンピオンにふさわしいと称賛した。

「(ワウリンカは)決定的な瞬間で私より勇気があった。優勝に値する」

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