■ISの脅威

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は30日の記者会見で、攻撃を「極端な暴力行為」だとして強く非難する一方、テロと断定することは避けた。キルギス側に徹底的な捜査と容疑者の拘束を求めたことも明らかにした。

 キルギス外務省の発表によると、エルラン・アブディルダエフ(Erlan Abdyldaev)外相は中国の王毅(Wang Yi)外相と電話で会談し、当局が中国の外交官の安全を確保するために必要な措置を講じると伝えた。

 中国西部と国境を接する中央アジアの内陸国であるキルギスは1991年に旧ソ連から独立。イスラム教徒が国民の多数を占め、貧困国として知られる。独立後も政情が安定せず、イスラム過激派の封じ込めに追われてきた。

 キルギス人約500人がイラクやシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦うために出国し、キルギス政府はISによる攻撃の脅威に直面していると危機感を示していた。

 当局はISが国内で計画していた攻撃を未然に防いだとたびたび発表している。トルコ・イスタンブール(Istanbul)の国際空港で今年6月に起きたISが関与したとされる自爆攻撃は、実行犯3人のうち1人がキルギス出身者と伝えられている。

 一方、キルギス国内ではこれまでにも中国政府関係者が、国境を挟んだ中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウイグル族出身のイスラム過激派が関係する襲撃の標的にされてきた。2000年にはビシケクで、ウイグルの過激派によるとみられる襲撃で中国当局者1人が射殺されている。(c)AFP/Tolkun NAMATBAYEVA