【8月29日 AFP】イングランド代表のサム・アラダイス(Sam Allardyce)新監督は28日、来週行われるW杯ロシア大会(2018 World Cup)欧州予選のスロバキア戦に向けた23人のメンバーを発表し、ウェストハム(West Ham)に所属するミカイル・アントニオ(Michail Antonio)を初招集した。

 アントニオは同日行われたプレミアリーグの試合で、チームは1-3で首位マンチェスター・シティ(Manchester City)に敗れたものの、ゴールを決めている。

 現在26歳のアントニオは、1年前に2部ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)からウェストハムに加入して以来、プレミアリーグのレベルにも順応している。昨季は公式戦32試合に出場して9得点を挙げ、新シーズンもここ2試合連続でヘディングによるゴールを決めていた。

 数シーズン前までアマチュアクラブのトゥーティング&ミッチャム・ユナイテッドFC(Tooting & Mitcham United FC)に所属していた選手の代表抜てきについて、アラダイス監督はイングランドサッカー協会(FA)のウェブサイトで「(アントニオは)非常に良い状態にあるからだ」と話した。

 また、同じくアマチュアクラブからイングランド代表にまで上り詰め、今回のメンバーにも選出されたジェイミー・バーディー(Jamie Vardy)と同様に成功の道を歩んでほしいと期待を口にするアラダイス監督は、「彼もまた、素晴らしい旅路をたどってきた青年だ。ノンリーグから今や代表選手となり、ここまで夢のような旅を送っている。1シーズン目で9ゴールを挙げたマイケルは素晴らしいアスリートにして、クロスの名手であり、点取り屋でもある」と語る。

「彼が合流し、選手たちと会えるのを楽しみにしている。いい準備をしてお互いをよく知り、スロバキアとのアウェーゲームで勝利を目指したい」

 アントニオ本人は、ウェストハムの公式ウェブサイトで、「(代表入りし)圧倒されています。イングランド代表でプレーするのは、僕の子供のころからの夢で、そして今、ノンリーグからここまでたどり着き、その夢を実現することができました。とにかくすごくうれしいです」と興奮気味に語った。

 さらにアントニオは、「3月にはジャマイカ代表入りの誘いを断ったのですが、こんなにも早くイングランド代表入りが実現して、興奮しています」と話した。

 そのほかの選手では、ジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督が就任したシティで、定位置を失っているジョー・ハート(Joe Hart)も予想通りメンバー入りを果たした。また、監督が連絡を取ったことを示唆していた元主将のジョン・テリー(John Terry)の復帰は見送られた。

 主将についてはまだ発表されていないが、所属クラブのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でその役目を務め、欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)でもキャプテンマークを巻いたウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)は今回も選出されている。

 イングランド代表史上最多の53ゴールを挙げているルーニーは、欧州選手権では中盤中央の位置に入り、今回もMFとして選出されているが、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)新監督のユナイテッドでは、攻撃的な役割に復帰している。(c)AFP