■セレーナを脅かす好調ケルバー

 セレーナが万全の状態でないのであれば、アンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)は大会の主役になる最有力選手の一人だ。現在世界ランク2位のケルバーは、今年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)でセレーナを破っており、第2シードとして臨む今大会では、世界ランク1位に浮上する可能性もある。

 ツアーで今季2勝を記録し、リオ五輪でも銀メダルを獲得するなど好調のケルバーは、先週のウェスタン&サザンオープンの結果次第では自身初の世界ランクのトップに浮上する可能性もあったが、決勝で敗れ、そのチャンスを逃していた。

 セレーナにとって脅威の存在になるとみられていることについて、ケルバーは「彼女は世界で最も優れたスポーツ選手の一人。多くの人がセレーナについて語るときに、私のことも話してくれるのは本当に素晴らしいことです」と話している。

 第3シードのガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)にも、今大会の成績によっては世界ランキング1位になる可能性がある。全仏オープンテニス (French Open 2016)でセレーナを破っているムグルサだが、全米オープンでは過去3度の本戦出場でたった1勝しか挙げておらず、「本当に良いプレーをしたい。それが今年であってほしい」と語っている。

 第4シードのアニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、ポーランド)も、今大会でグランドスラム初制覇を果たせば、世界ランキング1位になれる可能性がある。第5シードのシモナ・ハレプ (Simona Halep、ルーマニア)は、ラドワンスカと同様に今大会で四大大会初優勝を目指すことになる。

 第7シードのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)は、上位シードでは数少ないグランドスラム優勝経験者の一人だ。ほかにはスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)とサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)がいる。

 前回優勝のフラビア・ペネッタ(Flavia Pennetta、イタリア)は、昨季限りで現役を退いており、連覇の可能性があった今大会には出場していない。(c)AFP