【8月24日 AFP】(更新)トルコ軍は24日、有志連合の空爆支援を受け、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を国境沿いに位置するシリアの町から追放するために戦闘機や戦車を展開した作戦を開始した。

 今回の陸と空からの両面作戦は、トルコがこれまでにシリア内戦において実施した中で最も大がかりなもので、トルコ首相府によると、トルコの国境沿いの町カルカミス(Karkamis)と国境をはさんだ反対側に位置するシリアのジャラブルス(Jarabulus)からISを一掃することを目指している。

「ユーフラテスの盾」と名付けられた同作戦は、現地時間24日午前4時ごろ(日本時間同日午前10時ごろ)、ジャラブルスとその周辺のIS拠点に対するトルコ軍の激しい砲撃で始まった。さらにトルコのF16戦闘機と有志連合の軍用機がシリア領内の複数の拠点を空爆。また、AFPカメラマンによると、作戦を支援するため、トルコ軍の戦車11両がシリア領内に侵入するのが目撃された。

 さらに戦車に続いて、トルコを支持するシリア反体制派の構成員を輸送しているとみられる軍用車が国境を越えた。

 一方で今回の作戦は、ISに敵対するクルド人武装組織がジャラブルスを攻撃するのを未然に防ぐ意図もあるとみられている。トルコ政府は、クルド人組織がシリア北部にクルド人独自の区域をつくり出そうとしていると非難している。

 米国はシリア領内で活動するクルド人民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」を味方とみなしているが、トルコは同組織をテロ組織に指定している。

 一方、シリア政府は同日、ISを標的にしたジャラブルスへの攻撃について、主権の「甚だしい侵害」と非難した。

 シリア外務省は「米軍主導の有志連合による空爆の支援を受けながら、トルコ軍の戦車と軍用車がジャラブルスへ向かってトルコとシリアの国境を越えたことを非難するとともに、シリアの主権に対する甚だしい侵害とみなす」と述べ、「この侵略の終結を求める」と表明。「ISを追放してトルコの支援するテロ集団に置き換えることは、テロとの戦いとは言えない」と非難した。(c)AFP