【8月25日 AFP】休暇で訪れたスペインのリゾート地で酒に酔い時にハイになり、ホテルなどのバルコニーからプールに飛び込むのは若者でその大半は英国人だという研究結果が明らかになった。だが、飛び込もうとする若者の中には失敗して病院に担ぎ込まれる者もいれば、最悪な場合、命を落とす者もいる。

 バルコニーからプールに飛び込んだり、別のバルコニーに飛び移ったり、または単に身を乗り出したりする、いわゆる「バルコニング」がはやっているスペインのバレアレス諸島(Balearic Islands)ではついに、バルコニングを「風土病的」現象と呼ぶ病院の医師らがこの現象の研究に乗り出した。バレアレス諸島には、マヨルカ(Majorca)島のマガルフ(Magaluf)やパルマデマヨルカ(Palma de Mallorca)、イビサ(Ibiza)島のイビサを含む有名なリゾート地があり、毎年数百万人の観光客が訪れる。

 外科医で研究結果をまとめた論文の主著者であるフアン・ホセ・セグラ(Juan Jose Segura)氏は、「(確認されているバルコニングの事例)は、太陽とビーチ、過度のアルコールを求めて格安旅行でここにやって来る若者たちを巻き込む現象のほんの一部に過ぎない」と指摘する。

 2010~15年にかけて行われた研究調査の対象者は病院で治療を受けた人々だけで、バルコニングで死亡した人々は対象外だ。

 論文によると、パルマデマヨルカのある病院でこの期間に治療を受けたバルコニングによる患者は合計46人。このうち60%以上が英国人で、次いでドイツ人、スペイン人が多かった。またこれらの患者は1人を除いて、残りは全員が男性で、平均年齢は24歳。 平均して8メートルの高さから落下していた。ほぼ全ての事例でアルコールが絡んでおり、負傷者の40%近くが薬物を使用していた。

 バルコニンングによる正確な死者数は不明だが、スペインのメディアによれば、過去5年間で死者は十数人以上に上っている。(c)AFP/Marianne BARRIAUX