■「全員がうそつきというわけではない」

 ブラッター氏とプラティニ氏は、ここまで一貫して支払いは口約束ながら正当なものだったと主張している。プラティニ氏は1999年から2002年にかけて相談役としてFIFAで働いていたが、その際の給与が満額支払われておらず、問題の200万スイスフランは、その問題を解決する誠実な試みとして、2011年に認められたものだとしている。

 FIFAもCASもこれまでのところ、2人の主張は説得力に欠けると考えている。しかしこの13か月間、ブラッター氏はこの見解を堅持し、自身の潔白を主張し続けている。スイス・チューリヒ(Zurich)の高級レストランで先日、AFPのインタビューに応じたブラッター氏は、「FIFAはプラティニ氏と契約を結んでいた。口約束ではあったけどね」と繰り返した。

「倫理委員会でも、上訴委員会でも、FIFAの委員会は『信じられない』と言って聞く耳を持たなかった。しかし、われわれ全員がうそつきなわけではない。だからこそ、契約の存在をCASが信じてくれる可能性は十分にあるはずだ」

 CASの審理はわずか一日で終わり、裁定は数週間後に下されるとみられる。

 2015年5月に明るみに出たFIFAの汚職スキャンダルは、米国の検察当局がFIFAの元幹部を多数起訴するなど、複数の疑惑が絡み合った複雑な問題に発展している。今回の審理は、そのなかでも最新の法廷闘争となる。

 米検察当局は、スキャンダルの発覚以来、サッカー関係者とマーケティング会社の経営陣、計40人を贈収賄の罪で起訴しており、FIFAで長らくブラッター元会長の側近を務めたジェローム・バルク(Jerome Valcke)氏ら、権力の中枢にいた人物も地位を追われた。バルク氏とブラッター氏は、スイス当局の犯罪捜査の対象にもなっている。(c)AFP/Ben Simon