【8月24日 AFP】スマホの画面上のコンパスは「赤の広場(Red Square)」の方を指し、ターゲットとの距離が短くなると、毛皮のマントをまとい髭を生やしたキャラクターが大きく表示された──。

 人気のスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」に興じるポケモンハンターにとっては、すでに馴染みの動作かもしれないが、画面に現れたのはポケモンではない。16世紀ロシアの歴史上の人物で、残虐と表現されることの多い「イワン雷帝(Ivan the Terrible)」だ。正確には、モスクワ(Moscow)市当局が開発した新アプリのイワン雷帝のデジタル3Dフィギュアだ。

「ポケモンGO」人気が世界的な広がりをみせる中、モスクワ市当局は「ディスカバー・モスクワ・フォト(Discover Moscow Photo)」という拡張現実アプリを立ち上げた。一部では、ポケモンGOのロシア版ともうたわれている。

「ディスカバー・モスクワ・フォト」に登場するのキャラクターは、ロシアの歴史上の人物ばかりで、カラフルなポケモンとは一線を画す。イワン雷帝の他に、近代化の旗手ピョートル大帝(Peter the Great)、1812年にモスクワを短期間占拠した仏皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)、宇宙飛行士ユーリ・ガガーリン(Yuri Gagarin)、国民的詩人アレクサンドル・プーシキン(Alexander Pushkin)、作曲家ピョートル・チャイコフスキー(Pyotr Tchaikovsky)などが含まれている。

 米アップル(Apple)のiOSやグーグル(Google)の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する端末で利用できるこのアプリでは、歴史上の人物とゆかりのある場所を訪れ、そのデジタル3Dフィギュアを捕らえて、一緒に自撮りができる仕組みになっている。

 このロシア製アプリは「ディスカバー・モスクワ(Discover Moscow)」という教育用デジタルプロジェクトの一環として開発されたもので、歴史的建造物を地図上で示し、個人向けのツアーガイドとして利用できる他、またクイズやミッションといった遊びも提供できる。