■「広く認知されつつも物議をかもし過ぎない」登場人物

 ポケモンGOは、ロシアではまだ未配信だが、すでに数多くのゲーマーらは入手しており、彼らの絶え間ないポケモン追跡に一部当局者と聖職者らはいらだちをみせている。

 だが、モスクワ市当局のアプリ開発プロジェクトのリーダー、キリル・クズネツォフ(Kirill Kuznetsov)氏は、8月半ばに登場した「ディスカバー・モスクワ・フォト」にとって、ポケモンGOの存在はプラスに作用したと考えている。

 モスクワ当局は、100万ルーブル(約155万円)をこの新アプリに投資しており、またポケモンGOとの類似性についても否定していない。広報文書では同ゲームの「教育版」だともしている。

 インタビューでクズネツォフ氏は、「中には(ポケモンGOの)アイデアを盗んだと非難する人もいる」と認めたが、ディスカバー・モスクワ・フォトの開発をめぐっては、拡張現実技術が可能になってから3年が費やされていることを説明。アプリの開発に長い時間を要したのは、歴史上の人物をデジタル化し、それを3D化するためのさまざまな技術を試す必要があったためと述べている。

 同アプリは、いまのところロシア語版のみだが、今後は英語版の開発も視野に入れているという。また、現在のキャラクター9人に、さらに12人を加える予定で、その対象は「広く認知されつつも物議をかもし過ぎない」人物に限定されている。そういった制約の下でのキャラクターの選定作業は、なかなか一筋縄ではいかないようだ。(c)AFP/Germain MOYON