【8月22日 AFP】米韓両軍は22日、北朝鮮による総攻撃を想定した合同軍事演習を開始した。一方、北朝鮮政府は、報復として先制核攻撃も辞さないと警告している。

 毎年2週間の日程で実施される米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン(Ulchi Freedom Guardian)」はコンピューターでのシミュレーションが中心となっているが、現在でも約5万人の韓国兵と2万5000人の米兵が参加する。

 例年、この軍事演習によって南北間の緊張が高まるが、今年は北朝鮮要人の亡命が相次いでいることから、さらに緊迫した状況となっている。

 演習の開始に当たって韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は、相次ぐ要人の脱北は北朝鮮政府内での混乱を示唆しているとした一方で、「北朝鮮が自国の不穏な動きや新たな亡命を抑えたり、われわれの社会に混乱を引き起こしたりするため、テロ攻撃や挑発を繰り返す可能性が高まっている」と述べた。

 一方、北朝鮮政府は米韓の軍事演習を意図的な挑発と捉えており、朝鮮人民軍(KPA)は22日午前、「核兵器を使用した奇襲攻撃と侵攻の演習」には軍事的報復も辞さないとの考えを表明した。(c)AFP/Giles HEWITT