【8月20日 AFP】リオデジャネイロ五輪で、イラン人女性選手で初の五輪メダリストとなったテコンドーのキミア・アリザデ(Kimia Alizadeh)に対し、同国では19日、ハサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領を含む各方面から称賛の声が上がった。

 18歳のアリザデは18日、テコンドー女子57キロ級でスウェーデン代表に勝利し、銅メダルを獲得。試合には、イランの厳しいイスラム教の慣習に基づき、テコンドーのユニホームと防具の下にヘッドスカーフを着用して臨んだ。

 ロウハニ大統領は、イラン国旗を身にまとい喜ぶアリザデの写真をツイッター(Twitter)に投稿し、「わが娘のキミアよ、あなたはイラン国民全員に、そしてその中でも特に女性たちに幸せをもたらした。あなたの永遠の喜びを祈ります」とのメッセージを添えた。

 アリザデのメダル獲得に対しては、保守層からもその功績を認める声が上がっている。保守系メディアのファルス(Fars)通信は「歴史を作ったキミア」を称え、彼女の銅メダルには「金メダルの価値がある」と報道。「この誇りに満ちた瞬間を完全に感じることは、女性でなければ不可能だ」と論じた。

 イランでは、1979年のイスラム革命で導入された男女隔離政策の一環として、サッカーなど主要スポーツの大会での女性の会場観戦が禁じられている。1992年のバルセロナ五輪では、射撃競技に出場したリダ・ファリマン(Lida Fariman)が五輪史上初のイラン人女性選手となった。(c)AFP