【8月17日 AFP】16日に行われたリオデジャネイロ五輪、陸上男子棒高跳びの表彰式でブラジルの観客から2日連続でブーイングを浴びたフランスのルノー・ラビレニ(Renaud Lavillenie)が、陸上競技の伝説的存在である国際陸上連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長とセルゲイ・ブブカ(Sergey Bubka)氏から慰められていたことが分かった。

 前日に行われた競技の決勝で自身にブーイングややじを浴びせた観客を非難したラビレニはこの日、ブーイングを受けて表彰台の上で涙を見せた。

 ロンドン五輪の同種目で金メダルを獲得しているラビレニは、IAAFのコー会長をはじめ、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長、男子棒高跳びのレジェンドでIAAFの副会長を務めるブブカ氏から激励された。

 決勝で無名だったブラジルのチアゴ・ブラス・ダ・シウバ(Thiago Braz Da Silva)に敗れて五輪連覇を逃したラビレニは、表彰式の終了をもって悪夢のような24時間を終えた。

 フランスのテレビ局の取材でコー会長、バッハ会長、ブブカ氏と言葉を交わしたことを明かしたラビレニは、「不快だ。フェアプレーの精神が欠落している。ブラジル人全員がそうではなかったということは強調したい。それでも、僕は前に進む」とコメントしている。

 決勝で最後の試技に備えていたラビレニに対し、ブラジルの観客は耳障りなブーイングややじを浴びせた。

 世界記録保持者のラビレニは、試合後にブラジルのファンに怒りを爆発させ、ナチス・ドイツ(Nazi)時代に開催された1936年のベルリン五輪で、米国のジェシー・オーエンス(Jesse Owens)氏が受けた扱いになぞらえて観客を批判したが、その後、試合直後で気が立っていたとして、自らの発言について謝罪している。

「1936年、観客はジェシー・オーエンスに敵対的だった。それ以降、こんなことは起きなかった。僕たちはこういったことに対処していかなければならない」

「本当に気分を害した。観客の悪意を感じた。僕たちのスポーツでは、ああいう光景は絶対に起きない」

 これを受けて大会組織委員会は16日、ラビレニに対するブラジル人の観戦マナーが超えてはならない一線を越えていたと認めている。

 大会組織委の広報担当者マリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は、「ブラジル市民として、スポーツのファンとして、われわれはブーイングが適切な姿勢であるとは考えていない。たとえそれが一対一の競技で、ブラジルの若者が世界チャンピオンを倒すチャンスがあったとしてもだ」と述べている。

「ソーシャルメディアを通じ、ブラジル人ファンらとの対話を強化し、スポーツへの熱意を失うことなく適切で品のあるマナーで観戦をするよう呼び掛ける予定だ」

(c)AFP