【8月16日 AFP】14日に行われたリオデジャネイロ五輪の陸上男子100メートルで、五輪史上初の同種目3連覇を達成したウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が、同日の男子400メートル決勝で世界新記録を樹立したウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk、南アフリカ)との300メートル走対決に興味を示した。

 バンニーキルクは男子400メートル決勝で、米国のマイケル・ジョンソン(Michael Johnson)氏が17年間保持してきた世界記録を更新する43秒03でゴールした。そしてボルトはその直後、男子100メートル決勝で金メダルを獲得した。

 100メートル、200メートルでともに世界記録を保持する29歳のボルトは、24歳のバンニーキルクとの対戦に意欲を見せつつも、対決種目は400メートルではなく、300メートルがいいと話しており、ボルトは「素晴らしいレースになるだろうね!」と語った。

 300メートルは競技会でめったに採用されず、世界記録はジョンソン氏が保持する30秒85で、ボルトは歴代2位の30秒97、バンニーキルクは同3位の31秒03となっている。

 ボルトは「今年、コーチから300メートルをやってみようと言われたとき、自分の調子が良いことを期待していたんだが、ベストではなかった。彼(バンニーキルク)が来季も好調であれば、一緒に走る機会があるかもしれない」と話している。

 ボルトはまた、100メートルで9秒98、200メートルで19秒94の自己ベストを持つバンニーキルクは、200メートルで自分には勝てないと宣言した。

「彼は200メートルで僕に勝てない。その心配はしていないけれど、彼がジャマイカに来たとき僕は、『君は僕が400メートルの世界記録を破れると思う唯一の選手だ』と伝えていたから、彼をとても誇りに思う」

「彼は常に前進している。だから今夜、彼が(世界新記録を)達成したことに驚きはなかった。彼は調子が良さそうだった」

 その一方でボルトは、ちょっとした挑発をせずにはいられらなかったようで、自分もコーチのグレン・ミルズ(Glen Mills)氏に従っていれば、400メートルの世界記録を更新できたはずだったと話している。ボルトは過去に何度も400メートルのトレーニングは過酷すぎると愚痴をこぼしていた。

「コーチはいつも400メートルを走らせたがっている。もし僕がその気になっていれば、今頃は400メートルを走っていたと思うけれど、僕ははぐらかして逃げ続けていたからね」

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