【8月10日 AFP】リオデジャネイロ五輪は9日、競泳男子2種目の決勝が行われ、ともに優勝を飾った米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)が、五輪通算の金メダル獲得数を21個に伸ばした。

 五輪史上最も多くの栄光に彩られてきた男が、驚異のタイトル数をさらに上積みした。200メートルバタフライで手に汗握る激しいレースを制し、1分53秒36でフィニッシュしたフェルプスは、天井を指さし、ガッツポーズを見せて観客を沸かせた。

 ロンドン五輪金メダリストのチャド・レクロー(Chad Le Clos、南アフリカ)はラスト50メートルで伸びずに4位に終わった。坂井聖人(Masato Sakai)が1分53秒40で見事に銀メダルを獲得し、ハンガリーのタマーシュ・ケンデレシ(Tamas Kenderesi)が1分53秒62で銅メダルを獲得した。

 2004年のアテネ五輪、2008年の北京五輪でこの種目を連覇し、世界記録も持っているフェルプスだが、4年前のロンドン五輪では激闘の末にレクローに敗れていた。以来、レクローとはメディアを通じてやり合ってきただけに、フェルプスにとって今回の王座奪還はなおさら甘美な瞬間となった。

 31歳での金メダル獲得は、五輪競泳の個人種目では最年長となる。今回が最後と決めて5度目の五輪に望んでいるフェルプスは、すでに4×100メートルリレーで19個目の金メダルを獲得していたが、さらにこの後、4×200メートルリレーも制して金メダルを手にした。

 フェルプスはチームの最終泳者としてレースに臨むと、米国は7分0秒66で優勝。2位の英国に約2秒5の差をつける快勝を飾った。

 フェルプスにはまだ、五輪3連覇の偉業を達成している100メートルバタフライと200メートル個人メドレーのレースが残されている。本人がここまでの結果に満足していない限り、金メダル数がさらに伸びる可能性は十分にある。(c)AFP