【8月10日 AFP】フランスの放送規制機関、視聴覚高等評議会(CSA)は9日、リオデジャネイロ五輪開会式を生中継した仏テレビ局の解説内容に 「植民地主義」で「外国人嫌悪」的なコメントが含まれていたとの苦情を受け、調査を開始したことを明らかにした。

 問題のコメントは、仏公共放送局フランス・テレビジョン(France Televisions)のスポーツ部門ディレクター、ダニエル・ビラリアン(Daniel Bilalian)氏が発言したもの。ブラジルの歴史を紹介する場面で、アフリカ系奴隷は産業の発展に「必要だった」と述べ、反人種主義団体からの非難を浴びていた。

 黒人協会代表委員会(Representative Council of Black Associations)は、開会式の解説が「ミスや不適切な表現、植民地主義的な発言」にあふれた内容だったと批判している。

 また、体操男子の五輪メダリストで、体操種目の解説者を務めているトマ・ブエル(Thomas Bouhail)は、日本の体操選手らを「小さなピカチュウたち」とやゆし、ツイッター(Twitter)上で多くの批判を浴びている。

 こうした中、CSAは視聴者から少なくとも2件の苦情が寄せられ、黒人協会代表委員会の申し立て内容を精査していることを明らかにした。

 一方のフランス・テレビジョンも、「解説内容については遺憾に思う。反響は理解できるものであり、この問題について真剣に検討している」との声明を発表。デルフィーヌ・エルノット(Delphine Ernotte)社長が五輪閉幕後、黒人協会代表委員会側との会合を設ける意向を示した。(c)AFP