紛争地アフガニスタンを訪れる旅、冒険か 無謀か
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■アフガニスタンの将来に観光産業は不可欠
それでも、わずかではあるがアフガニスタンにも空路でなら安全に訪れることのできる地域も存在している。
その一つが古都バーミヤン(Bamiyan)だ。渓谷の石窟に彫られた巨大な石仏で有名だったが、旧支配勢力のタリバン(Taliban)により爆破、破壊されてしまった。
淡いあずき色の渓谷が織りなす風景が印象的なバーミヤンは、かつては交易路シルクロード(Silk Road)を旅する隊商が立ち寄る要所だった。現在は、アフガニスタンにおける観光促進計画の中心地だ。
このほか、ブルーモスクや、冠雪を抱く山々、宝石の採掘で知られるパンジシール渓谷(Panjshir Valley)がある北部マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)も比較的、平穏な地域だ。
「確かにアフガニスタンへは危険な旅行先だ。ただ、その危険は予測ができる」とミルトンさんは言う。そして、「適切に対応すれば危険は大幅に軽減されるし、危険をはるかに上回る素晴らしいご褒美が待っている。ほとんどの人が訪れたことのない国で、そこの文化に接することができる」と続けた。
4日のタリバンによる襲撃はアフガニスタンの観光産業に影を落とすものだが、文化省報道官はAFPにアフガニスタンの将来にとって観光産業は不可欠だと語った。昨年には外国人2万人が首都カブール(Kabul)を訪れたという。
アイルランド人のバッグパッカー、ジョニー・ブレア(Jonny Blair)さん(36)も、事件で気持ちがひるむことはないと話し、「北部サマンガン(Samangan)の僧院の脇で子どもたちとサッカーをしたこと、茶店でお茶を飲んだり水たばこを吸ったりしたマザリシャリフの夜、みんな忘れられない思い出だ。危険だったとしても価値ある経験」とこれまでの旅を振り返った。(c)AFP/Anne CHAON