【7月28日 AFP】国連(UN)は27日、南スーダンでサルバ・キール(Salva Kiir)大統領を支持する政府軍とリヤク・マシャール(Riek Machar)第1副大統領(当時)の支持勢力との間で激しい戦闘が再発した今月8日以降、少なくとも120件の性的暴行事件が起きたと発表した。国連の平和維持活動(PKO)要員が暴行現場を目撃していながら見逃した疑いがあるとして、調査を開始したという。

「PKO要員が窮地にある市民を救助しなかった疑いがあり、深刻に受け止めている」と、ファルハン・ハク(Farhan Haq)国連事務総長副報道官は述べ、国連南スーダン派遣団(UNMISS)司令部が調査を行っていることを明らかにした。

 報道によると、少なくとも1件の女性暴行事件の現場にPKO要員が居合わせたが、何もしなかったという。AP通信(Associated Press)は目撃者1人の証言として、基地の入り口近くで女性が兵士2人に襲われ、助けを求めて叫んでいるのを中国とネパールのPKO部隊員30人余りが見ていたと伝えた。

 ハク副報道官によると、首都ジュバ(Juba)では国連基地の付近を含む市内各地で、軍服を着た南スーダン兵と私服の男たちが市民に対し性的暴行をはたらいたとみられ、集団暴行も起きたという。被害者には未成年者も含まれているという。

 ジュバでは、7月8日~11日に政府軍とマシャール氏支持派との間で激しい戦闘が続き、少なくとも300人が死亡、数千人が国連の基地に避難した。キール大統領は25日、マシャール氏を副大統領職から解任し、後任にマシャール派のタバン・デン・ガイ(Taban Deng Gai)前鉱物相を任命。マシャール派内部では深刻な分裂が起きている。(c)AFP