■加齢の進行は「正常」

 13頭のヒツジは「高齢」にもかかわらず、一頭も糖尿病を患っておらず、血圧も皆正常だった。

 今回の検査データは「説得力があり、高齢の成体子孫の健康に対してSCNTが及ぼす長期的な有害影響が存在しないことを示している」と、研究チームは述べている。

 ただ、最近の改善にもかかわらず、SCNTは依然として費用が高額である上、有効性も低い状況に変わりはない。分娩まで生存できるクローン胎児の割合はごくわずかにすぎない。

 研究論文は、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。論文には、「最新データの後押しを受け、新たに形成されつつあるコンセンサスは、これら生き延びるクローンの健康状態は良好で、老化も正常と思われるということだ」とある。(c)AFP/Mariëtte Le Roux