醜聞にまみれた台湾の「闘神」、リオでは指導者で汚名返上目指す
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【8月1日 AFP】台湾の男子テコンドー選手、朱木炎(Chu Mu-yen)は、かつて台湾男子で唯一となる五輪の金メダルを獲得し、「闘神」と崇められた英雄だった。―しかし、女性がらみのスキャンダルが原因で、金メダルとともに勝ち取った地位と名声を失った。
2004年アテネ五輪のテコンドーで、当時22歳だった朱木炎は、女子の陳詩欣(Chen Shih-hsin)とともに母国へ金メダルをもたらすと、台湾の人々は歓喜の涙を流して喜んだ。
ところがそのわずか1年後、女性がらみの醜聞が流れると、名声は一転して地に落ちることになる。当時、テコンドーの女子選手と交際していた朱が、買春を行ったとして詐欺組織から脅迫されていることが明らかになったのだ。
朱は女性とチャットしたことは認めたが、買春については否定した。それでも彼は、自身と家族に危険が及ぶのを恐れ、詐欺グループに3万ドルを渡してしまっていた。その後、グループからのゆすりがやまなかったため、朱は警察に相談。5人が逮捕されて問題は一応の決着をみた。
それでも朱を覆う雲は晴れなかった。恋人は、朱のチャット好きに耐えられないとして彼の元を離れていった。そして金メダルが期待された2008年の北京五輪では失意の銅メダルに終わり、そのまま現役を引退することになった。
引退後は指導者に転身した朱だが、2012年にまたしても騒動を起こしてしまう。国際オリンピック委員会(IOC)の選手委員会の委員に立候補しようとしたが、これを拒否されたのだ。ロンドン五輪の最中に、委員会入りを狙って「勝手な」選挙活動を行っていたというのがその理由だった。
その後、朱はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てたが、「だまそうという意図が大きかったわけではないが、熱意が行き過ぎていた」として却下されている。
こうした逆境を経験した朱だが、現在は五輪での栄光を取り戻す機会が間近に迫っている。重量挙げ、テニスとともに、テコンドーのメダル獲得が期待されているるリオデジャネイロ五輪が開幕するのだ。朱は台湾代表チームのコーチの一人として、リオ五輪の会場に姿を現すとみられている。(c)AFP/Amber WANG
