【7月19日 AFP】貧困層のアフリカ系米国人男性は、生活水準が貧困ラインを上回る黒人男性の3倍近い死亡リスクに直面しているとの研究結果が18日、発表された。

 米医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」に発表された今回の研究成果は、さまざまな所得の黒人と白人の男女3720人を対象に実施された「寿命に多様性のある地域の健康的な老化(HANDLS)」調査に基づくものだ。

 調査対象者の平均年齢は48歳だった。

 貧困層のアフリカ系米国人男性は、生活水準がそれより上のアフリカ系米国人男性に比べて、死亡リスクが2.7倍高いことを、研究チームは発見した。主な死因は、心臓病とがんだった。

 白人男性の間ではこれと同じ格差は認められず、貧困層の白人男性の死亡リスクは、生活水準が貧困ラインを上回る白人男性とほぼ等しいことが分かった。

 女性については、貧困層の黒人と白人はともに、早死リスクが貧困でない層のほぼ2倍だった。

 米国立老化研究所(NIA)のアラン・ゾンダーマン(Alan Zonderman)氏が主導した今回の研究では、貧困ラインを4人世帯で所得2万4000ドル(約250万円)に設定している。

 米国政府は、年間所得が4人家族で2万4300ドル(約258万円)、単身者で1万1880ドル(約126万円)を下回る場合を貧困と定義している。

「アフリカ系米国人男性は米国社会で、恐れられ、また疎外されている。この生涯にわたる排斥が、教育、雇用、さらには刑事司法制度との関わり合いにおいて連鎖的なマイナスの結果を生むことを助長している」とゾンダーマン氏は指摘する。

「この結果として生じる貧困は、アフリカ系米国人男性にとって致命的な健康リスク要因となっている」

(c)AFP