【7月16日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は15日、第13ステージ(ブール・サン・タンデオルからカヴァルヌ・ドゥ・ポンダルク、個人タイムトライアル、37.5 キロメートル)が行われ、チーム・ジャイアント・アルペシン(Team Giant-Alpecin)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)がステージ優勝を果たす一方で、総合首位に立つチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)がそのリードをさらに広げた。

 14日に仏ニース(Nice)で発生したトラック突入事件を受け、今ステージのスタートと終了時には犠牲者に1分間の黙とうがささげられるなど、レースは重々しい雰囲気に包まれた。

「とてもうれしいと同時に、本当に悲しい気持ちだ。朝目覚めてニースでの恐ろしいニュースを知った」と静かに話した25歳のデュムランは、これで今大会2勝目を飾ったが、大きな勝利を手にしたのはフルームだった。

 今ステージで2位に入った31歳のフルームは、同6位でレースを終えて総合2位に浮上したトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)に1分47秒差をつける一方で、この日2分59秒差の総合4位に後退したモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)ら主なライバル勢を大きく引き離した。

 オリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)は、粘り強い走りで2分45秒差の総合3位にとどまっている。

 第9ステージに続く勝利を手にしたデュムランは、勝利が確定するまで長い時間待たされることになった。序盤に暫定1位のタイムをたたき出したモビスター・チームのネルソン・オリヴェイラ(Nelson Oliveira、ポルトガル)は、最終的に3位となっている。

 第12ステージでクラッシュしたフルームが、優勝候補のなかでもタイムトライアルの最強選手であることを証明したのに対し、14日に驚きの結果を残したモレッマも力強い走りをみせ、フルームから引き離されたタイムを50秒にとどめた。

 一方、キンタナは不調に苦しみ、フルームからさらに2分以上の差をつけられた。(c)AFP