【7月13日 AFP】ケビン・デュラント(Kevin Durant)のゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)移籍を受け、米プロバスケットボール協会(NBA)のアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーが12日、戦力の均衡を保つ方法を模索していることを明らかにした。コミッショナーは巨大戦力を持ったチームが誕生するような移籍に懸念を示した上で、戦力バランスを保つためにも新たな労使協定を作り出すべきではないかと考えている。

 デュラントは4日、2年5430万ドル(約54億円)の契約でオクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)からウォリアーズに加入し、NBAにまた一つ、圧倒的な戦力を持つ最強軍団が誕生した。

 リーグの年次総会を終えて記者会見に臨んだシルバーコミッショナーは、スター選手が集中したチームの誕生について、「最初にはっきりさせておきたいのは、リーグの観点からそれは望ましくないというのが私の意見だ」と述べた。

「2つの飛びぬけたチームが存在することは、リーグに良い影響を与えないと思っている。対策としては労使協定を見直し、優秀な選手がリーグ全体に行き渡るようにしたいと考えている」

 その一方でシルバーコミッショナーは、獲得した権利をデュラントが行使しただけで、規則違反を犯したわけではないとしている。

「私はフリーエージェント(FA)の選手の権利を全面的に尊重しているし、デュラントの事例でいえば、彼は自分にとって最善の判断を下しただけだ。そこまでの過程において、彼がどのような考えや気持ちを抱いていたかは、私にはわからない」

「幸いなことに、われわれの労使協定にはサイクルがある。これを機会に、オーナー側と選手会の双方がシステムを見直し、最善策を探らなくてはならない。私としては、もっとうまくやれると信じている」

 現行の協定は2021年6月30日に満了を迎えるが、リーグと選手会いずれの側も、12月15日までに相手に通達すれば、2017年6月30日をもって契約を破棄できる権利を持っている。現行の協定は5年前、ロックアウトの末に結ばれた。

 シルバーコミッショナーはまた、2017年のオールスターゲームの開催地について、結論が出ていないことも明らかにした。来季のオールスターは、ノースカロライナ(North Carolina)州が新たに可決した公衆トイレのプライバシー保護法が物議を醸していることを受け、開催地をシャーロット(Charlotte)から変更することも検討している。

「本日はまだ結論を出す準備はできていなかったが、カレンダーがわれわれに優しくないことは認識している。来年2月はあっという間だ。ましてやオールスターは大イベントなのだから、代替案をすぐに考えなければならない」

(c)AFP