【7月5日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)の女子シングルスで準々決勝に進出した大会第1シードのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が4日、雨でぬれた危険なグラス(芝)コートをめぐり大会を訴えると発言したものの、試合後の会見ですぐに撤回した。

 女子シングルス4回戦で第13シードのスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)に7-5、6-0で勝利したセレーナは、小雨で滑りやすくなったセンターコートに不快感を示し、審判に対して「このままでは転倒してしまう。それは納得できない。屋根を閉めてくれませんか?負傷したら訴えますよ」と激高したと伝えられた。

 世界ランク1位のセレーナが苦情を訴えたあとも、コートを横切ろうとしたボールボーイが転倒したため、両選手がロッカールームに戻ってる間に屋根が閉められた。

 四大大会(グランドスラム)通算21勝を誇るセレーナは、試合再開後に開閉式屋根の下で8ゲームを連取して勝利を収めたが、試合後の記者会見で訴訟を示唆したことについて問われると、すぐに発言を取り下げている。

 セレーナは「試合中は頭に血が上っていたの。コート上での発言やラケットの破壊は激情のせいよ。ウィンブルドンを訴える予定は今もこれからもありません。事態を深刻にとらえてほしいだけ。あの時の私はどうかしていたし、本来の自分ではなかった」と説明した。

「これ以上そのことに関する質問には答えないし、報道もしてほしくない。まったく、ばかげているし間違っているわ」

 ウィンブルドンの安全性について問題を提起したのは、今回のセレーナだけではない。前週にはジル・シモン(Gilles Simon、フランス)も、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)に3-6、6-7、6-3、4-6で敗れた試合が雨の中で強行されたことについて、大会を訴えると怒りをあらわにしていた。(c)AFP