【7月4日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)は3日、女子シングルス3回戦が行われ、大会第1シードのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は6-3、6-0でアニカ・ベック(Annika Beck、ドイツ)を一蹴。大会から姿を消したノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と同じ過ちを繰り返さないことをライバルにアピールした。

 前日の男子シングルスではジョコビッチがまさかの3回戦敗退に終わったが、史上最多に並ぶ四大大会(グランドスラム)通算22度目の優勝を目指すセレーナは、みんなと同じようにジョコビッチの早期敗退にショックを受けながらも、それでも自身と同じ世界ランク1位につける王者の取りこぼしを貴重な教訓にし、わずか51分でベックを退ける隙のないテニスでグランドスラム通算300勝目を挙げた。

 特に第2セットは、ベックに与えたポイントは合計でわずか4ポイント、自身のサービスゲームはすべてラブゲームキープという圧巻のプレーを見せ、元大会女王のヤナ・ノボトナ(Jana Novotna)さんをして「まったく非の打ちどころがない」と言わしめた。

 2015年大会の優勝以来、グランドスラム制覇から遠ざかっているセレーナは、ジョコビッチと同じような敗退への恐怖が、自身の集中力を高める要因になったと明かしている。

 セレーナは「私が負ければ米国では大ニュースになる。それなのに勝ったら小さいニュースとして扱われるだけ。そんな扱いを受ける選手は、世界中探してもたった2人だけだと思う」と語っている。

「彼も私も、とてつもない歴史を築いてきた。彼は4大会連続でタイトルを獲得し、私も去年、4大会連続で勝った。それ自体が歴史的なことだと思う」

「個人的にはノバクが逆転すると思っていたから、そうならなかったことには本当に驚いた。その現実にはね。だけど重荷だとは思わない。あれだけの地位にいられるのは、本当に最高だから」

 シュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏に並ぶグランドスラム22勝を目指すセレーナは、4回戦で第13シードのスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)と対戦する。(c)AFP/Steven GRIFFITHS