■移民問題

 第2の大きな公約は移民問題、EU諸国から流入する移民数の大幅削減だ。

 離脱派の欧州議会議員ダニエル・ハナン(Daniel Hannan)氏はBBCに「われわれは大幅に減少するとは言っていない…抑制措置を求めているのだ。正直、これを見ている人たちが(離脱派に)投票したのだからEUからの移民がゼロになると思っていたら、失望するだろう」と語っている。

 問題は英国の移民政策が、EUとの離脱交渉に大きく左右されること、特に利益の大きいEU単一市場へのアクセスと引き換えになる点だ。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は28日、英国に対し、EUとの今後の関係についての交渉で「いいとこ取りはなしだ」と警告した。

■計画…何の計画?

 離脱派陣営には、予想外の勝利を得た後のことについての計画が何もなかったのではないかという批判が高まりをみせている。

 スコットランド(Scotland)のアレックス・サモンド(Alex Salmond)前行政府首相は、AFPの取材に対し「彼らは国民投票に勝ったが、何をしたらいいか分かっていない。何がしたいのか、計画がないのだ」と述べた。

 サモンド氏はこれと対照的に、2014年のスコットランド独立を問う住民投票でスコットランド民族党(SNP)が、「670ページにわたるマニフェスト」を用意し、独立に向けた一連の計画を準備していたことを挙げた。こうしたものはEU離脱派にはなかった。

■EUとの離脱交渉

 EUと正式な離脱交渉を始めるためには、EUの離脱条項であるリスボン条約第50条を正式に発動する必要がある。これを発動すると2年間の交渉期限を経て、英国はEU初の離脱国となる。

 これまでデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、国民投票でEU離脱支持の結果が出れば、直ちに50条を発動すると示唆していた。ところが衝撃的な投票結果が明らかになると、50条の発動は9月まで就任が見込まれない自らの後継者に委ねるとしてトーンダウン。また、27日の国会では「2年以内に脱退しなければならないプロセスの開始が早すぎると、コントロールが行き届かない中での脱退になる恐れがあるので、(現時点では)50条を発動しないことが正しいと思う」と述べている。

 また、離脱派のロンドン(London)前市長、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏は、国民投票の結果確定後、数時間も経たないうちに「もう急ぐ必要はない」とのコメントを発していた。