【6月29日 AFP】スロバキアの大統領府に27日未明、何者かが侵入し、20分間建物内をうろついていたことが明らかになった。輪番制で今年下半期の欧州連合(EU)議長国としての任期開始を数日後に控えた同国にとって、大きな安全上の問題となりそうだ。

 防犯カメラの映像には、あごひげを生やした30代とみられる男が柵を乗り越え、職員が使用している鍵のかかっていないドアから大統領府内に侵入する様子が写っている。

 大統領府が発表した声明によると、侵入警報は鳴ったものの、警備担当者は誤作動とみなし、無視したという。

 男は、何も壊さずまた盗まずに、鍵の掛かっていない門から逃げていったという。

 一代で大富豪となり、慈善家としても知られる同国のアンドレイ・キスカ(Andrej Kiska)大統領は28日、首都ブラチスラバ(Bratislava)での記者会見で、「誰にも気付かれずに何者かが20分間も、大統領府の中で過ごせることが判明したのは不愉快な驚きだ」と述べた。

 今回の警備上の不備を受け、治安当局の高官1人が解雇処分となった。(c)AFP